Beginners Phase01
プレトレーニング
発音
皆さんはこれから膨大な量の英語に触れることになります。それらの英語すべてに発音記号がついています。
発音記号とは正しい発音を示す記号です。発音記号どおりに発音すれば、基本的には正しい発音となります。
つまり、発音記号をマスターすれば、これから覚えるすべての英語を正しく発音できるようになるのです。
ビギナーズフェーズの先頭、つまり「ELON」の第一歩目に「発音」を配置した理由は2つ。
それぞれご説明しましょう。
リスニング力の向上
じつは、正しい発音ができると、リスニング力が向上します。
英語を聞いて理解するには、音声と言葉がきちんと結びついている必要がある。当たり前のことですが、意外と意識しない人が多いです。
正しい発音がわからない=正しいスペルがわからない状態。
英語を読むために正しいスペルを覚えるのは当然ですね。同様に、英語を聞くために正しい発音を覚えるのです。
発音の矯正が大変
発音記号は覚えるだけではありません。実際に口や舌を動かしてトレーニングするのです。
スポーツと同じように、一度悪い癖がついてしまうと矯正が大変。
新しい言葉を覚えるとき、必ず音声も一緒に覚えます。文字だけで覚えている人はいません。
つまり、発音記号を知らずに覚えた言葉は、間違った発音で覚えてしまっているのです。
リスニングとスピーキングへの悪影響は避けられません。英語力が伸び悩み、必ずどこかで矯正する必要がでてきます。
矯正によるロスを考えれば、英語学習の最初に発音に取り組む。長い目でみると一番効率が良いです。
おすすめの教材
正しい発音をマスターするには、適切なトレーニングが必要です。
覚えることを前提にした教材よりも、トレーニングを前提にした教材が絶対に良い。まさにそのような思想で書かれた本がこちら。
私自身、こちらの本で発音を鍛えあげました。発音の重要性を思い知らせてくれた名著です。
発音に関してはこの1冊で十分。徹底的にやり込んでください。
文法
「英語ネイティブは文法を意識しない。だから、文法を学習しなくても英語を習得できるはずだ。」
これはよく見られる誤解です。
母国語の習得と外国語の習得は違います。
子どもと大人
臨界期という言葉をご存知でしょうか。人には、言語を習得しやすい時期があると考えられています。
臨界期までに言語を学習する場合は、吸収力が高いので言語に関する理解がなくても、どんどん言葉を覚えていきます。
理解よりも覚えることが先。子どもたちは、洪水のように言葉を浴びて、言葉のルールを気にせずにそのまま覚えていきます。
このような学習は、下記の条件が揃ってはじめて可能になる芸当です。
一方、臨界期を過ぎると、意識的に学習しなければいけません。
専門用語で「明示的学習」と呼ばれます。簡単にいうと「理解してから覚える」わけです。
なぜ「明示的学習」が良いのか。大人が英語を学習する環境を考えれば納得できます。
臨界期までの子どもがおこなう「暗示的学習」(理解のまえに覚える)が難しい環境ですね。
それに、大人は成長過程で高い認知力など、子どもよりも優れた能力を身につけています。
学習環境や能力を考えると、大人は「暗示的学習」よりも「明示的学習」を選択すべき。学習初期に文法を学ぶことで、「明示的学習」をおこないましょう。
ビギナーズフェーズの文法
ビギナーズフェーズではコアな文法に限定して学習します。どれも皆さんが中学校で学習した内容。とても簡単な文法です。覚えるというより、思い出すに近い。
それでも、多くの方が基本的な文法を蔑ろにしているのも事実。しっかり文法を理解してください。
おすすめ教材
直感的に文法を理解するために、カラフルでイラストが入った教材がおすすめです。例文の充実度も大事。
そこでおすすめなのがこちらの教材。
ビギナーズフェーズでは、英語のコアとなる超基礎的な英文法を学習するため、うってつけの一冊でしょう。
登場する語彙は、必ず発音記号とセットで調べてください。次のステップでおこなう「シャドーイング」でも同じ教材をつかいます。
発音記号の学習を入れることで、劇的な効果が見込めます。
ボキャビル
「ボキャビル」は語彙力を伸ばすことに特化した学習です。
5000語がビギナーズフェーズで覚える語彙数です。とても多いように感じますが、ゼロからスタートして5000語です。
皆さん英単語を1つも知らないなんてことはありませんよね。すでに知っている語彙をプラスして、合計5000語。そこまで大変ではありません。
「ボキャビル」では意味を覚えるだけでOKです。次のステップで英語を肉体的に落とし込んでいきます。
品詞と発音記号
「ボキャビル」の補足事項ですが、品詞と発音記号だけには注意を配ってください。
品詞とは「単語を文法上の性質によって分類したもの」です。名詞、動詞、形容詞などですね。
品詞は単語の入れ物のようなもの。セットで覚えていないと、せっかく覚えた単語も、文章のどこに入れていいのか判断できず、うまく活用できません。
慣れてくれば直感的に覚えるようになりますが、最初は意識的に学習しましょう。
また、必ず発音記号を意識してしてください。プレトレーニングではとにかく発音に注意。発音が今後のすべての英語学習を支えます。
ゲーミフィケーション
「ボキャビル」は機会的な作業になりがち。学習の進捗は、いかに効率的に楽しく覚えるかにかかっています。そのためには、ゲームプレイの要素を取りいれるべきです。
この考え方はゲーミフィケーションと呼ばれます。「ボキャビル」に限らず、すべての学習に必要不可欠な視点です。
とくに「ボキャビル」はゲーミフィケーションを利用しやすい。アプリが充実しているからです。
おすすめ教材
「ボキャビル」にはアプリを利用することをおすすめします。
まずはこちらのアプリから。
「Duolingo」
iOS版 Android版
とても優れたUIで、学習を継続させるよう工夫されています。並べ替え問題が用意されているので、品詞の理解にも役立ちますね。
収録されている単語数が少ないので、一通り終わったら、こちらのアプリに移りましょう。
「mikan」
iOS版 Android版
「mikan」はとにかくサクサク単語を覚えることができます。収録数も多く、現在のところボキャビルには一番効率がよいのではないでしょうか。
ただ、品詞の学習が弱いので、まずは「Duolingo」からスタートしましょう。
5000語に到達したら一旦終了してくださいね。ビギナーズフェーズではそれ以上やる必要はありません。
アプリが苦手な方はこちら。
繰り返し読むことで語彙力が鍛えられます。アプリを終えた方も挑戦する価値のあるボキャビル本の決定版。じっくり腰を据えて取り組んでみてください。