地球は丸いのか?火星は平面なのか?イーロン・マスクの疑問
- 2017年11月30日
- 宇宙
地球平面協会という協会をご存知でしょうか。その名の通り、地球は平面であり、丸くはないと主張している団体です。詳しくはWikipediaをご覧ください。一部抜粋しますが、彼らが主張している地球のモデルはこんな感じです。
- 地球は球ではなく円盤型をしている
- 北極が円盤の中心にあり、円盤の外周は45mの高い氷の壁で囲まれている
- 太陽と月の直径はいずれも52km程度である
なかなかユニークな団体です。さて、なぜ地球平面協会を取り上げたのか説明しますね。先日、イーロン・マスクは火星の写真についてTwitterでコメントしました。そして、その流れである疑問を投げかけたのです。
火星の空は地球と逆だ。
青い日の出と日の入り。
日中は赤い。
なぜ火星平面協会は存在しないのか!?
Why is there no Flat Mars Society!?
— Elon Musk (@elonmusk) November 28, 2017
このイーロン・マスクの問いかけにたいして、地球平面協会から返事がありました。
ハイ、イーロン。質問ありがとう。地球と違って、火星は丸いことが観測されてるからだよ。
良い一日を!
Hi Elon, thanks for the question. Unlike the Earth, Mars has been observed to be round.
We hope you have a fantastic day!
— Flat Earth Society (@FlatEarthOrg) November 28, 2017
とても友好的な返事です。担当者の人格が優れているのだと思います。
地球は平面なのか
せっかくなので地球が平面なのか考えてみましょう。
ます注目すべきは、彼らが「地球が丸いということは観測されていない」と考えていることです。
地球の丸い姿を写している写真はたくさんありますが、すべて偽物と判断されている模様。
カリフォルニアに住むMike Hughes氏は、「ジョン・ハーシェル・グレンやニール・アームストロングがフリーメーソンであることを考えれば、策略の理由がわかるだろう」と語ります。
ちなみに、彼は自分の目で地球が平面だと確かめるためにロケットを自作。許可がおりれば、ロケットに乗って飛び立つそうです。
また、彼らの論拠となっている実験があります。測量実験ですが、おなじ高さに設置された2つの目印を、十分な距離をとって(川を挟んで)配置します。その目印を望遠鏡で観測すると、その2つの目印が同じ高さに見えたそうです。
地球が丸いのであれば、地表がカーブしているため、近い目印よりも遠い目印が低く見えるはず。この実験結果は現在でも地球平面説の支持者が論拠としているとのことです。
やっぱり地球は丸い
地球平面論者による主張を聞いているとなんだか不安になってきませんか?大丈夫です。じつは、地球が丸いことは簡単な実験で確かめることができます。(自作ロケットで飛ぶ必要はありません)
古代ギリシャ人がおこなった実験。2つの棒を立てるだけです。その2つの棒に太陽があたるとそれぞれ影ができますね。地球が平面であれば、光の入射角が同じなので、その2つの影の形はまったく同じになるはずです。
ところが、実際にやってみると2つの棒の影の形は違いました。古代ギリシャ人はこの違いから地球の外周を計算。誤差はわずか10%以内だったそうです。地球が丸いことは紀元前から確認されています。
他の手段でも地球が丸いことを証明できます。北半球と南半球で昼夜が逆転しているという事実。これは地球が平面の場合ではあり得ないことです。地球が丸くて回転しているから、時間によって太陽が照らす場所(昼)が変わるのです。
このように地球が丸いことは簡単に証明できますが、さきほどの測量実験についてはどうなるのでしょう。
件の実験では「光の屈折」が考慮されていませんでした。目印から望遠鏡まで光が到達する過程で屈折が起きたため、距離が異なる2つの目印が同じ高さに見えたのです。
2つに限定せず、たくさんの目印をつかって同じ実験をおこなうと、実際に異なる高さで目印が観測されました。
さて、これで無事に地球が丸いことが納得できたと思います。地球平面協会とは主張は違いますが、これからも友好的なやりとりがされるといいですね。
参考
http://www.sciencealert.com/how-to-prove-earth-is-not-flat-round-science-mike-hughes