イーロン・マスクのすすめ

イーロン・マスクが語る地球温暖化 ~炭素税の導入~

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パリで国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)が開催される中、イーロン・マスクはソルボンヌで学生たちに地球温暖化についての彼の考えを語りました。

イーロン・マスクが話した内容をできるだけ簡潔に問題・原因・対策・行動に分けてご紹介します。




問題

イーロン・マスクによると、地球温暖化最悪の場合、過去の戦争すべてを合わせたよりも大きな被害を人類にもたらすそうです。

なぜなら、(このまま何もしなければ)5~10%の陸地が水没するから。少ない面積のように聞こえるかもしれませんが、人類の3分の1(20億人以上)は低地か海岸線から60マイル(訳96キロ)圏内に住んでいるのです。

つまり地球温暖化によって20億人が避難しなければならず、彼らの住宅が破壊され、国土がなくなるということです。

どう考えても大問題ですね。




原因

皆さんご存知の通り、地球温暖化の原因はCO2つまり炭素排出です。炭素が排出されて大気中の温室効果ガスの濃度が増し、地球が温暖化するわけです。このあたり懐疑的な見方も存在するようなので気になる方はこちらをご覧ください。

(注:ここからが今回のポイントですが、あくまでイーロン・マスクが語ることなので世界的な話です。日本にそのまま適用できるとは限りません。)

さて、現在、地球温暖化の原因である炭素排出には隠れた補助が存在します。簡単に言うと、炭素排出によって与えられるダメージ(健康被害など)が化石燃料などの製品価格に反映されていないということです。

たとえばタバコやアルコールは野菜や果物よりも高い税金がかかっていますね。これはタバコやアルコールによる健康被害をその製品価格へ反映させるためという側面があります。

ところが人々に甚大な被害を与える炭素排出にはそのような税金がありません。

この課せられていない税が炭素排出の隠れた補助となっています。そして、IMFによると補助の額はなんと年間約650兆円だそうです。

太陽光、風力、地熱などの再生可能エネルギーの技術的進歩が遅いのはこのような膨大な額の炭素排出の隠れた補助が原因だとイーロン・マスクは主張します。

見方を変えれば、政府がつくっている現在のルールは人々に炭素排出を推奨しているとも言えるのです。このように炭素排出を奨励しているような状況が地球温暖化の原因だということですね。

対策

地球温暖化の原因である炭素排出を奨励している状況を変える。これが地球温暖化の対策です。そこでイーロン・マスクが提案した地球温暖化対策は炭素税の導入でした。

イーロン・マスクは政府が率先して地球温暖化対策への取り組むべきだと主張します。それは政府がルールを定め、企業はそのルールに従って企業活動をおこなうからです。

そして、現在炭素排出には課せられるべき税が課せれていない。であれば、あとは単純な話です。炭素税を導入する。(もちろんレベニューニュートラルにするため他の減税処置は必要です)

企業活動が変わり、社会が変わり、地球温暖化の原因となっている状況が変わるのです。




行動

地球温暖化対策が炭素税の導入。そのためには政治を動かさなければいけません。ところが、イーロン・マスクによるとロビー活動では石油資本に絶対に勝てないそうです。

たとえばスーパーメジャー(超大手石油会社)の1つであるエクソンモービルだけでもアメリカの太陽光産業すべてを合わせたよりも多くの利益をあげます。なので、資金で勝負するのは不可能とのこと。

そこで、イーロン・マスクは学生たちに「君たちは変化を起こす力を持っている」ので、政治家や友人などに「機会があるたびに炭素税の導入について話す」よう語りました。政治家は人々の意見を無視することはできません。地道な行動ですが、イーロン・マスクが提案したのは炭素税導入について声を大きくしていくことでした。

今回の件についてイーロン・マスクが以下のようにツイートしていたので気になる方はリンク先の記事をご覧になってください。

気候変動についてパリで語ったことが良くまとめられている。

参考

fortune.com

fortune.com

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