ファルコン9の爆発
6月28日はイーロン・マスクの誕生日です。そして、イーロン・マスクは44歳の誕生日はクラッカーの代わりにロケットを打ち上げるという壮大なパーティーになりました。ただ、打ち上げまではよかったのですが、残念ながらファルコン9ロケットは空中で爆発してしまい、なんとも悲しい誕生日に。本当に残念でなりません。
今回のミッションは国際宇宙ステーション(ISS)への物資の補給でした。じつはこのミッション、すでに2回失敗していたのです。
1回目の失敗はアンタレスロケット。アメリカのオービタル・サイエンシズ社が開発したロケットです。2014年10月、ISS補給ミッションのためアンタレス5号機が打ち上げられました。しかし、打ち上げ後わずか15秒で爆発。ISSに補給する物資(ペイロード)も破壊されてしまいました。
2回目の失敗はロシアのプログレス補給船です。2015年4月にソユーズロケットで打ち上げられたプログレス宇宙船は通信障害および姿勢異常のためISSへのドッキングを断念。大気圏へ再突入し、本体とペイロードは燃え尽きました。
そして今回が3回目の失敗です。スペースXは過去2回の失敗をうけてISSへの補給ミッションの遂行を試みました。かつて政府主導でおこなわれたロケット打ち上げですが、いまや民間企業であるスペースXに大きなプレッシャーがかかってくる状況になったのです。しかし、残念ながら今回のISS補給ミッションも失敗に終わってしまいました。
ISSの物資の状態について、いぜんNASAはまだ危険な状態ではないと言っていました。ただ、このままだと9月10月にはISSの物資は切れてしまうとのこと。今回の失敗がどう響いてくるのか気になりますね。
打ち上げが成功すれば、ファルコン9ロケット1段目の着陸へ挑戦できたのですが、残念ながらまたの機会になってしまいました。スペースXは失敗の原因の調査に乗り出しています。
1段目のシャットダウンの直前にファルコン9に問題が発生。データを見なおしてさらなる情報を提供する。
Falcon 9 experienced a problem shortly before first stage shutdown. Will provide more info as soon as we review the data.
— Elon Musk (@elonmusk) June 28, 2015
このあとのイーロン・マスクのツイートによると、どうやら原因は2段目の液体酸素タンク圧力が高すぎたようです。イーロンはこれを直感に反した原因と言っていますが、データがそう示唆しているとのこと。
最後に今回の打ち上げの動画を貼っておきます。