イーロン・マスクの知られざる一面
- 2015年05月12日
- イーロン・マスクについて
今度出版されるイーロン・マスクの新しい伝記からいくつか印象的な話がこちらで引用されていました。そこで、今回はその中でもとくに印象深かったものをピックアップしてご紹介したいと思います。
彼はホームレスみたいなんだよ。
おかしな話だと思うけど、彼はホームレスみたいなんだよ。メールしてきて、こう言うんだ。「今夜泊まるところがない。行ってもいい?」。カギや何かをあげた覚えはないんだけどね。
ロサンゼルスの自宅から離れたとき、イーロン・マスクはしばしば泊まる場所がなく、友人のラリー・ペイジの家へお邪魔しているそうです。ラリー・ペイジはご存知の通りGoogleのCEO。過去に持ち上がったテスラモーターズのGoogleへの売却話から分かるように、Googleはイーロン・マスクと只ならぬつながりのある企業です。その関係性はラリー・ペイジ宅でより深く築かれていったのかもしれませんね。
彼は1日23時間働いていたんだ。
そういう人たちにはこう言うよ。私たちの会社が破産したら、もっとたくさん家族と過ごすことができるだろう、と。
– Ryan Popple
テスラの最初の時期、社員の1人が自分たちは働き過ぎだと文句を言ってきました。Ryan Popple氏によれば、そのときのイーロン・マスクの返答が上記の言葉だったそうです。良いか悪いかはさておき、イーロン・マスクという男はまさに仕事の虫。それを社員にも求めてしまうのでしょう。PayPalの前身であるX.comでイーロン・マスクと共に働いたJulie Ankenbrandt氏はこう言います。
私たちは全員1日20時間も働いていたよ。でも彼は1日23時間働いていたんだ。
– Julie Ankenbrandt
私たちにできるのは彼が別の世界にいることをただ見守ることだけ。
彼は自分の世界に入ってしまいます。私たちにできるのは彼が別の世界にいることをただ見守ることだけ。今は放っておきます。新しいロケットや何かを設計しているところだと分かっているから。
– Elon Musk’s mother
イーロン・マスクの母親の言葉です。子供のとき、イーロン・マスクは自分の世界へ入り込んで、話しかけられても反応しなかったそうです。その没頭ぶりは母親が聴覚障害を疑うほど。すごい集中力で様々なことを考えていたのでしょう。
彼はターミネーターです。
イーロンは言いました。「最後の1ドルまで会社に注ぎ込むつもりだ。妻の両親のところへ引っ越さないといけなくなったら、そうするよ。」
– Antonio Gracias
2008年の経済危機のとき、イーロン・マスクと共に食事をしていたAntonio Gracias氏が聞いた言葉です。当時、彼の経営するスペースXは3回連続でロケットの打ち上げを失敗。4回目の打ち上げを前にして後がない状態でした。そして、同じく彼の経営するテスラモーターズも倒産の危機に瀕していました。イーロン・マスクの輝かしい人生において、彼が最も窮地に追い込まれていた時期です。しかし、イーロン・マスクは決して諦めませんでした。ただひたすら、最後の最後までチャレンジを続けます。常軌を逸していると言えるほどの執念。元妻のジャスティンは彼をこう表現します。
彼はターミネーターです。何かに狙いを定めてこう言うのです、「それは私のものだ」。少しずつ私は魅了されていきました。
– Justine Musk, Elon’s ex-wife
物理学を思考の根底に置き、論理的かつ大胆な戦略で幾度の失敗にも挫けることなくひたすらターゲットを目指し続ける。労働時間も職業倫理も人間離れしていますし、本当にターミネーターのような人物ですね。
いかがでしょうか。イーロン・マスクの知られざる一面を見ることができたのではないかと思います。今度出版される伝記が楽しみですね。ところで、冒頭の記事について、イーロン・マスクがTwitterで強く反論している箇所があります。最後にそちらをご紹介して終わりたいと思います。まず、イーロン・マスクのツイートから。
この記事の22個の引用の中で、 2つ訂正しなければならないことがある。1つは、私は強く産休をサポートしているということ。もう1つは、私は自分を侍と呼んだことはないということだ。
Of 22 Quotes from http://t.co/VA2KQ03NNR, 2 need correcting:
1. I strongly support pregnancy leave
2. I've never called myself a samurai
— Elon Musk (@elonmusk) 2015, 5月 12
会社の会議のために出産の立会を諦めろなんて、完全に嘘っぱちで酷すぎる。私はそんなことは絶対にしない。
It is total BS & hurtful to claim that I told a guy to miss his child's birth just to attend a company meeting. I would never do that.
— Elon Musk (@elonmusk) 2015, 5月 12
イーロン・マスクが反論している引用は以下です。
言い訳はいい。まったくがっかりしたよ。君は優先順位が間違っている。私たちは世界を、そして歴史を変えようとしているんだ。すべてを捧げるか、そうでないかなんだ。
– An anonymous Tesla employee
これは匿名の元テスラ社員が出産に立ち会うため会社の会議を欠席したときに、イーロン・マスクから受けとったメールの内容とのことでした。しかし、イーロン・マスクによると完全にデマのようですね。この箇所については批判的な記事も出ていましたし、嘘ということならかなり悪質です。それに、こちらの引用も。
私の精神は侍のそれだ。失敗よりも切腹を選ぶ。
– Elon Musk
イーロン・マスク本人が言ったとされていましたが、これも間違いだそうです。このように、Twitterなどで間違っている箇所をすぐに指摘してくるところはなんともイーロン・マスクらしいですね。BBCがテスラの電気自動車をこき下ろしたときもすぐに提訴していましたし、不当な批判や根拠のない話にはしっかり対応する姿勢が今回のツイートからも伺えました。
参考
Elon Musk accused of ripping employee for skipping Tesla event to watch child’s birth: report